女子合宿レポート 福島支部 小板橋瑛子、お茶の水道場 中村政人 |
3月10日(土)・11日(日)に国立那須甲子青少年自然の家(西郷村)にて、2回目となる『女子合宿』が行われた。この合宿は、故伊師師範との縁から砂川久美子四段を講師として福島県内の数少ない女子道場生に交流の機会と空手の素晴らしさを再認識し、更に頑張ってもらう糧にして欲しいと企画した物。
昨年2回目の開催が予定されていたが、合宿施設が避難所として利用されたため(約6ヶ月間、最大650名ほどが避難していた。)中止となっていました。今年は砂川久美子四段を講師として招いたところ、ナント将口恵美世界チャンピオンや長谷川真美選手などを含む多数の県外組みも参加し、30名での合宿となり非常に楽しく充実した時間を過ごしたが、奇しくも震災1年の日に開催となり二日目稽古の最後には黙祷を捧げた。
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女子合宿レポート 福島支部 小板橋瑛子 |
3月10、11日に那須の青少年自然の家で行われた女子合宿に参加しました。 昨年も企画されたのですが東日本大震災で中止になり、一年ぶりに行うことができました。今回で第二回目の開催となります。
私たち明星大学が白河道場に到着時は皆さん集まっていて、記念撮影などをしていました。前回と同様砂川久美子先生そして、お茶の水道場の皆さん、将口恵美さんや長谷川姉妹など世界で活躍するトップレブルの選手も参加していました。東京からではなく埼玉県や、愛知県、新潟からも参加してくださいました。
皆でワイワイと楽しく記念撮影を行った後、雪の降る中合宿会場になる国立那須甲子青少年自然の家に移動しました。 荷物などを整えた後、道着に着替え稽古を始めました。基本稽古から移動稽古などを行い、帯別に分かれ型の稽古をしました。稽古では、細やかな体の使い方、蹴りや移動などでのイメージの仕方などを丁寧に教えていただきました。女性だけという普段とは違う雰囲気でしたが、気合いなど、力の入った稽古が出来ました。 夜は親睦会として、夜遅くまで空手や道場のこと、色々な事を語り合いました。
二日目は午前中2時間ほど移動や型の稽古をしました。トップレベルで活躍する女性空手家の型を間近で見る事も出来ました。その後雪が積もっているとの事でソリ滑りをしました。雪も沢山積もり雪合戦をしたりと楽しい時間が過ごせました。その後午後は那須の温泉に行き最後まで楽しい時間が過ごせました。
二日間の合宿でしたが、臨機応変にとにかく楽しんで!!という砂川久美子先生の言葉通り、目一杯楽しむことができました。
指導に来てくださった砂川久美子先生、集まってくださっとた女性空手家の皆さん、お茶の水道場の皆さん、この合宿を企画してくださった滝嶋先生、白河道場の方々、お疲れさまでした。本当にありがとうございました。
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女子合宿+α(オマケ参加の部)お茶の水道場 中村政人 |
伊師先生が他界してから早くも4年半が過ぎました。伊師先生が生前、空手家として、指導者として、滝嶋先生に厚く信頼を寄せていたと知ったのは、他界されてから少し経ってからのこと。白河道場で保存されていた、滝嶋先生宛に送られた伊師先生直筆サイン入りの演武写真を見たとき、その信頼度をなんとな?く感じることはできました。しかし勝手に送られてきたという説もありますが。(笑)
久美子先生を始めとする一部のお茶の水メンバーの中では、常々、伊師先生のあることないことを知る滝嶋先生から直に稽古を受けたいとの話になっていました。そんなとき白河道場主催の第2弾女子合宿が予定されていると聞き、「男子も参加させてもらえないですかね・・・」という話が浮かびました。この女子合宿への男子参加計画の首謀者は、男子指導員の泉初段。そしてそれに賛同したのは、伊師先生の酒飲み秘密結社会員の石田しろーと自分。さらに入門後に伊師伝説にハマってしまったTAKU宮本を含めた4人でした。当初は「男は来んな!来たければ女装だ!」と滝嶋先生に一蹴されていましたが、根が厚かましい男子は、「女装でいいなら・・・」と、軽い気持ちでこの合宿に乗り込みます。しかし、移動用車両の手配やドライバーに至る様々なお世話や、いつの間にかメインとなった夜の部の準備のため、白河道場のジェントルメンズがしっかりとその「任」にあたっていて、とても丁重なお出迎えをしていただきました。高速バスに乗り、女装のことはすっかり忘れ、いい旅夢気分で登場した男子は、自分も含めちょっと反省です。
滝嶋先生が用意してくださった合宿会場は、ゲレンデもある国立の少年自然の家。自動販売機はおろか、売店にも一滴のアルコールも置いていない「合宿」としては、これ以上ない素晴らしい会場でした。到着してから、一面の銀世界に目もくれず、稽古のことで頭が一杯。そのせいか、車から玄関に着くまでの僅かな距離ですら雪に足を取られ、体中雪まみれの者が続出しました。
そうこうしているうちに稽古の時間。男子メンバーは念願叶って、滝嶋先生に教えていただくことになりました。いつもと違う風景、号令、そして違うメンバー構成。どこか心地よい緊張感。「いつもと違う環境は気づきが生まれやすいんですよ」と滝嶋先生。稽古は、基本を中心に移動へと進みます。合間合間に、丁寧な説明が加わります。基本的な動作に、違う言葉や言い回しで、たくさんの説明をいただきました。印象に残ったのが「腰を落とす」の説明。説明するにはかなり難しいこの感覚を「肩を落として脱力してみな」と一言。自分の目の前にいた石田しろーの腰が、急にストンと落ち着いたのが見えました(本人も多分気づいていたはず)。自分も外回しのときに、左大腿部の付け根あたりを後ろからふいに軽く押されたときのこと、自分の足?と思うくらい軽く理想的な軌道でまわりました。思わず出てしまった表情に滝嶋先生が「自分の体の方が抑制しちゃってるんだよ。ホントはそれだけ回るんだよ」と補足。この合宿では特別な技術や秘策ではなく、基本を基本として正しく理解し、体現するためのコツのようなものを教えていただきました。
さて、程よく疲労して食事をした後、第2部、夜の部へと突入します。残念ながら、この夜の部、途中ですっぱり記憶が途切れます。残っている記憶だけたどらせていただくと、滝嶋先生を始め、白河道場のジェントルメンズとは、この夜の部でぐっと距離が縮まり、中には震災時の実体験もあり、とても貴重な話を聞かせていただきました。白河ジェントルメンズを紹介させていただくと、自分と同い年で親近感たっぷりの岩本さん、恐らく少年部のママさんの一番人気の野崎さん、この合宿後に間違いなく道着を買うはずの菊池さん。初対面なのにすごく身近に感じる楽しい方ばかりでした。この後、泉指導員によるair長渕がこの宴に華が添えられたのを覚えていますが、その辺から次第に記憶は薄れ、泉指導員の撃砕笑まで披露されていたのを知ったのは翌朝のことでした。
翌日も午前中は、先生交代!ということで、久美子先生以外の女子も含めたお茶の水メンバーで滝嶋先生から教わります。棒を使って手技をイメージする練習や型にまつわる話など、本当に楽しく、記憶に残る稽古となりました。午後は雪の中でのトレーニング?、夕方は温泉ツアーまで用意され、至れり尽くせりのこの合宿は、事故もなく無事終了。合宿が終わってから、稽古のときにとても引き込まれたのを思い出し、「あれはどうしてだろう」とあれこれと考えてしまいました。その時ふと、「きっと滝嶋先生が空手そのものを心から大切にしているからなんだ」と思うように。大切にしている空手を伝えていくために、滝嶋先生の中で何度も咀嚼されて工夫されて生まれた言葉や表現を聞いていたから、あーも見事に引き込まれたんだと。これを考えているとき、伊師先生の修身斎家にあった「言霊」という言葉が頭に浮かびました。
少しニュアンスは違うのかもしれませんが、言葉自体が意味と同じ力を持っているとそこには書いてありました。言葉はその意味に加えて発した人の温度も、同じように伝達してくるんだと思います。全く同じ言葉でも、発した人が冷めていれば冷めた温度で、思いを込めたらその分だけ温度が加わるんだと思います。お茶の水から来た迷惑な男子たちをどう見ていただいたのかは分かりませんが、参加した男子全員が口を揃えて「帰りまでの時間、少しでもいいから稽古に充てたい・・・」と言っていたということは、いつも白河道場の皆さんに向けられている温度で接していただいていたんだと思えました。それは伊師先生が発していた温度に近かったのかもしれません。そう考えれば、白河道場ジェントルメンズとあーも打ち解けられたのは、とても自然なことかもしれません。
滝嶋先生、白河道場の皆さん、この度は本当にお世話になり、本当に本当にありがとうございました!!
大きな収穫ありのこの合宿。この先もずっと続きますように! 押忍!
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